同業者各位 様
はじめまして
上海CADセンターを運営している福岡トム建築事務所代表取締役 杉坂哲男と申します。
「ゼネコンは現状の半分でも多いくらいだ」という政府閣僚の発言もあるように、現在この業界に明るい話題は見当たりません。健全な競争が無い、仲間意識の蔓延した村社会だ、などいずれも自業自得的な論調が目に付きます。どのように言われようと、しかし私たちはこの建設業界で生きていかなければならないのです。
どの業界にも職人にしか持ち得ない“技”というものがあります。安価な労働力層や経験値を持たない素人では取って代わることのできない、どのプロセスにも必ず必要な人間の価値です。これはまた世界中から尊敬と羨望の視線を集めている、日本人がもっとも得意とする分野でもあります。
私が7年前に中国に労働力を求めた理由は、図面単価が下がりすぎ、社員に求める仕事の質と提供できる給与のバランスが保てなくなったためです。最初の2年は本当に大変な苦労をしましたが、現在では日本人スタッフだけでやっていた頃と比べても、むしろ充実した品質を保てるほどになりました。
また昨年は会社を乗っ取られてしまうというとんでもない被害に遭いましたが、主要スタッフのほとんどが新たに設立し直した私の元に復帰してくれたおかげで、以前にも増してスリムでコンパクトな組織として運営出来ています(乗っ取った側の大阪の同業者は、結局使いこなすことが出来ずに潰れてしまいました)。このように中国の洗礼を一通り経験させてもらったわけですが、振り返ると大連などの中国会社との提携に成功した同業者は皆無であることに気付きました。
目指す品質を得るため私は毎月中国に足を運び、それでも足りないので家族ごと上海に居留して、現在の組織を作り上げました。私たちは成功したのです。私たちには並の日本人スタッフと同等の生産力を、半分近い単価で確保することが出来るのです。
コンピュータも、自動車も、服飾も、主要なパーツはすべて中国製です。中国にしか出来ないことがあります。反対に、日本人にしか出来ないこともあるのです。
一台一台手作りで製作される高級車は当然すばらしく、国産高級車と比較しても数倍の価格とそれに見合った価値があるでしょう。しかしこれは特殊な世界の話であり、“出来るのにしない”ということではないのです。現状の施工図の環境は、これに近いものであるように感じられます。
今、発想を変える必要があります。
私たちは、現場全体を見渡せる正確な地図をすばやく製作します。この時点で現場の問題点が多数展観できますが、すべてではなく、そして解決もしていません。
重要なのはここからです。ここがスタートなのです。経験と知識を総動員して、図面に埋もれているお金を掘り出すのです。これこそが職人の楽しみであり、存在価値ではないでしょうか。
高価な職人が作図と修正を担当する時代は、本来ならば建築用CADが誕生した時に終わっていなければならなかったのです。他業種では当然である“分業”が、やっと始まろうとしています。
私たちは、図面生産工場として発展していくことを目指しています。故に、建設会社に対してマネージメントしていただける同業者の方々を、当社顧客として広く求めています。
現在私たちは大阪・神戸を中心として活動していますが、特に他地域の日本全国で興味を持っていただいた方々と共闘していきたいと考えています。常駐した管理が必要なのか、すべてを外部からコントロールできるものなのか、日々試行錯誤を繰り返してはいますが、現状では完成された形を持っていません。次世代のあり方ということも一緒に模索して行かなければなりません。
私はこの仕事が大好きです。必要不可欠な建設業の一業種として、施工図を製作することに誇りを感じています。優秀な人材を絶やさず、高等な職種の対価として相当な報酬を得るためにも、私たちにお手伝いできることが必ずあると信じています。
お気軽にご連絡ください。
福岡トム建築事務所代表取締役 杉坂哲男